第236章メイソンは困っている?

「入れ!」

ダニエルは目を開けなかった。声にはまだ、かすかな疲労が残っている。

エミリーを前にするとき、彼はいつも気を張り、元気に見せて話すよう心がけていた。

だが今この瞬間は、そんな芝居など必要ない。

扉が開き、ヨークが少し乱れた、慌ただしい足取りで入ってきた。「スミス様、どこか具合でもお悪いのですか?」

椅子にもたれ、目を閉じたまま顔色も冴えないダニエルを見て、ヨークの不安は膨らんだ。報告しようとしていた件をいったん飲み込み、心配そうに尋ねる。

「話せ。何だ?」

ダニエルは目を開けた。視線は鋭く、纏う気配も少しも衰えていない。

まだ気力があるのを確認して、ヨークはほっと息を...

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